ファイントゥデイ資生堂のへアケアブランド「マシェリ」と「水分ヘアパック」は、ともに1996年に誕生。
現在も根強いファンに愛されています。
今年25周年を迎える2ブランドの魅力を振り返ります。
■ダメージケア意識の高まりにこたえて
1990年代半ば、人気アーティストらのブレイクと共に茶髪などのカラーリングが一般化。同時に、ぱさつきや艶のなさに悩む声が増えてきました・・・。
そんな声に応えるように、資生堂の化粧品流通(当時、資生堂コスメニティー)からは「マシェリ」、一般品流通(当時、資生堂ファイントイレタリー)からは「水分ヘアパック」が発売されました。
■傷んだ髪を新発想でケア
★「マシェリ」が誕生した時のキャッチコピーは、"シャンプーするだけで透明ヘアマニキュア効果"。
透明ヘアマニキュアとは、サロンなどでおこなわれるトリートメントの1種です。
例えば、ネイルに透明のトップコートを塗ると、爪がツルツル、ツヤツヤになり外部からのダメージにも強くなります。そんなキューティクルをケアする効果を髪にも。
シャンプー、リンスだけで傷んだ髪がコーティングされツルツル、ツヤツヤに!
当時日本を離れ、芸能活動を離れつつあった後藤久美子さんが登場したCMも憧れを抱かせました。
★「水分ヘアパック」は既存の「ヘアエッセンス」ブランドから派生した「水分パック」として誕生。
デビュー時の初々しい木村佳乃さんと武田真治さんが登場したユーモアあふれるCMで登場しました。
シャンプーのすすぎ時の指通りがしっとり、なめらか!
まるでシャンプーだけで髪に潤いをパックしたような感触で驚きの声が上がりました。
また、あえてリンスやコンディショナーを配置せず、毎日使える"デイリートリートメント"を提案。
プチプラなのに満足度の高いヘアケア体験を叶えました。
「マシェリ」の広告には、吉川ひなのさん(2010年にも再起用)、高橋マリ子さん、黒澤優さん、持田香織さん、滝沢秀明さん、鈴木えみさん、小松菜奈さんなどが登場。時代が変われど、常におしゃれでかわいいイメージをキープしています。
「水分ヘアパック」の広告には、田辺あゆみさん、原沙知絵さん、仲間由紀恵さん、globe KEIKOさん(KEIKOさんが愛用者であったことから起用)、福山雅治さん、飯田圭織さん、岡田准一さんなどが登場しました。
■タバコなどの嫌なニオイをカット
両ブランドとも個性のある、特徴的な香り。
「マシェリ」は、かわいらしいのに大人っぽいフローラルフルーティー。
「水分ヘアパック」は、重厚感があるのに、さわやかさも感じられる、個性的なクリスタルブーケ。
どちらの香りも持続力があり、翌日までしっかりと髪に残りました。街で同じ香りの人とすれ違ったときに「あ、仲間」と思った方もいたはず。
また、当時新しかったのは、タバコなどの気になるにおいが髪につくのをカットする効果があったことです。
単に香りが続くだけではなく嫌なニオイがつくのを防ぐ。時代のニーズを先取りした新発想も人気の一因となりました。
■大きな転機は2006年
2006年、資生堂はメガブランド戦略を発表。
太く強いブランドをつくり、集中的に育成するという方針転換がおこなわれました。
ヘアケア事業は「TSUBAKI」に全資源を集中することが決定。「マシェリ」や「水分ヘアパック」は、脇にまわることとなります。
■「水分ヘアパック」は「AQUAIR」へ
2006年「TSUBAKI」誕生以降、日本では存在感が薄れた、「水分ヘアパック」ですが、2003年から中国、香港、台湾に進出し、現在では「AQUAIR(アクエア)」というブランド名で独自に発展しています。
お手頃価格でたっぷり大容量が魅力の「AQUAIR」は、オイリーヘア向けのラインやメンズライン、そしてボディウォッシュを中心としたボディケアまで、ブランド領域を拡大。
中華圏では「TSUBAKI」よりも大きなブランドへと成長、日本に逆輸入が期待されるブランドです。
■「マシェリ」・「水分ヘアパック」ブランドの未来は・・・?
資生堂は令和3年2月、「マシェリ」、「AQUAIR・水分ヘアパック」ブランドを含むパーソナルケア事業の売却を発表しました。
従来の100%資生堂傘下のブランドではなくなりますが、新体制のもと、さらなる成長が期待できる可能性も広がります。
ワンランク上のおしゃれなヘアケアブランドとして認知されながらも影をひそめている「マシェリ」。
日本市場では一部アウトバストリートメントを除き、販売を終了している「水分ヘアパック」。
新体制、ファイントゥデイ資生堂のもと、新たなライトが当たることを1ファンとして心から願っています。
※この記事は、ライターの個人的見解を含みます。メーカー公式発表と異なる場合があります。